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卒業式・入学式前の美容治療で気をつけたいダウンタイム|腫れより内出血に注意

春は卒業式や入学式など、大切なイベントが増え写真もたくさん撮る季節です。

この時期になると、「イベントまでに少しでもきれいになりたい」と美容治療を希望される方が増えます。

実際に今週は卒業式・入学式に向け治療を希望される方がたくさん来院されました。

しかし、検討していた治療・希望の治療をされた方はほぼゼロでした。

なぜでしょう?

それはダウンタイム。

美容治療では効果に目が向きがちですが、大切な予定の前ほど考えていただきたいのがダウンタイムです。

今回は、イベント前の美容治療で見落とされやすいポイントについてお話しします。

イベント前の美容治療は「効果」だけで決めないことが大切です

卒業式や入学式などのイベント前には、「少しでもきれいな状態で当日を迎えたい」と考える気持ちはわかります。

その気持ちはとても自然なものですし、美容医療がその後押しになることもあります。

ただし、イベントまでの期間が短い場合はダウンタイムに注意が必要です。

見た目を整えるために受けた施術が、逆に当日の不安材料になってしまっては本末転倒です。

美容治療は、受けること自体が目的ではなく、大切な予定を良い状態で迎えるための手段として考えることが大切です。

ダウンタイムでよく聞かれるのは「腫れますか?」という質問です

目の下の内出血(自分でリジュランした後)

美容治療の説明をしていると、多くの方がまず気にされるのは腫れです。

「どれくらい腫れますか?」

「何日くらいで引きますか?」

という質問はとてもよくあります。

もちろん腫れはダウンタイムの一つです。

ただ、イベント前という条件で考えたとき、私がより気になるのは腫れそのものよりも内出血です。

腫れは思っているほど長く続かないこともあります。感染など特別な事が起こらない限りそんなに気にしなくていいと思います。

一方で、内出血は色として残るため目立ちやすく、写真にも写りやすいという問題があります。

実際に困るのは、腫れよりも内出血であることが少なくありません

針を使う施術には注意が必要です。

・局部麻酔の注射

・ヒアルロン酸の注射

・ボトックスの注射

など

注射針を使う施術はたくさんあります。

何を注入するのか?ではなく針を使うということが内出血のリスクです。

針を刺すと生きている人間は必ず血がでます。

そのため、どれだけ丁寧に施術しても内出血のリスクをゼロにはできません。

内出血が出るかどうかは個人差があります。

ほとんど出ない方もいれば、思ったより目立つ形で出る方もいます。

そして、出てしまった場合には1週間以上残ることもあります。

イベント前に重要なのは、「腫れが早く引くかどうか」だけではありません。

内出血がもし出た場合に、その状態で当日を迎えて困らないかまで想像しておくことが大切です。

「コンシーラーで隠せますか?」には一概に答えられません

内出血の話をすると、「コンシーラーで隠せますか?」と聞かれることがあります。

ですが、これは簡単に大丈夫とは言えません。

内出血は、部位や広がり方、色の濃さによってかなり見え方が変わります。

さらに、どこまで自然にカバーできるかはメイクの技術にも左右されます。

もちろん、ある程度隠せるケースもあります。色を消すために厚塗りすればいいでしょうが

そのせいでヨレやすかったり厚化粧になったり、きれいに隠しきれるとは限らないという前提で考えるべきです。

特に目元や頬など、光の当たり方で目立ちやすい場所では、メイクで完全にカバーするのが難しいこともあります。

そのため、「隠せるから大丈夫」と考えてイベント直前に施術を受けるのは、あまりおすすめできません。

注入治療や糸リフトはイベント直前には慎重な判断が必要です

注入治療や糸リフトは、適切なタイミングで行えば満足度の高い治療です。

一方で、イベント直前には向き不向きがあります。

これらの治療では、腫れだけでなく内出血が起こる可能性があります。

しかも内出血は、事前に完全には予測できません。

「大丈夫なことも多い」一方で、「でるときはでる」のが現実です。

そのため、卒業式や入学式のように日程が決まっていて、確実にきれいな状態で臨みたいイベントの前は、慎重に判断した方がよいことがあります。

直前に変化を求めるより、当日に支障が出ないことを優先するという考え方が大切です。

大切な予定の前こそ「何をするか」より「何を避けるか」

美容医療では、「今より少しでも良くしたい」という気持ちが強くなりやすいものです。

ですが、イベント前にはその考え方を少し変える必要があります。

大切なのは、

治療でどれだけ変われるかだけでなく、

その治療で何が起こりうるかを理解しておくことです。

とくに日程に余裕がない場合には、攻めた施術を追加するよりも、避けた方がよい施術を見極めることの方が重要なこともあります。

イベント前の美容治療では、やる勇気より、やらない判断の方が大切な場面もあるのです。

イベント前の美容治療は、できるだけ早めにご相談ください

イベントが近づいてから慌てて施術を検討すると、選べる治療が限られます。

一方で、余裕を持って相談していただければ、ダウンタイムを考慮しながら計画を立てることができます。

「その日に向けて整えたい」と思ったときこそ、直前に無理をするのではなく、早めに相談することが大切です。

治療の効果だけでなく、当日の安心感まで含めて設計することが、美容医療ではとても重要です。

わたしからのメッセージ

美容医療がまったく初めての方には、ダウンタイムについて説明すると、比較的そのまま理解していただけることが多いです。

しかし、過去に施術経験のある方ほど、ダウンタイムの説明が難しいと感じることがあります。

「前にやったときは内出血しなかった」

「前の先生は内出血しない先生だった」

そう言われることがよくあります。

ですが、前回出なかったから今回も出ない、ということはありません。

どんなに名医だろうと内出血させない先生はいません。

技術によって、腫れや痛み、内出血の可能性をできるだけ下げることはできます。

私自身、注入の技術には自信がありますし、実際に

「他院より痛くなかった」

「腫れが少なかった」

「内出血しなかった」

と言っていただくことも多くあります。

それでも、内出血することはあります。

医療である以上、リスクをゼロにはできません。

だから私は、イベント前の施術ほど「たぶん大丈夫」で進めるべきではないと思っています。

前に大丈夫だった、以前は問題なかった。

それはひとつの経験ではありますが、今回も同じとは限りません。

大切な予定の前だからこそ、そのことを前提に治療を考えていただきたいと思っています。

 

執筆者:西記念神戸アカデミア美と健康のクリニック院長 木谷慶太郎

日本形成外科学会 形成外科専門医

日本美容外科学会JSAPS 正会員

日本創傷外科学会会員 正会員

日本レーザー医学会 正会員

日本抗加齢医学会 正会員

アラガン社 VST(ボトックスビスタ)認定医

アラガン社 ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医

経歴

  • 2010

    長崎大学医学部医学科卒業

  • 2010

    六甲アイランド甲南病院 初期臨床研修

  • 2012

    小野市民病院形成外科(現:北播磨総合病院)

  • 2013

    姫路赤十字病院形成外科

  • 2014

    神戸大学医学部付属病院形成外科

  • 2020

    西記念神戸アカデミアクリニック 

  • 2023

    ルネッサンス美容外科神戸院 院長

  • 2025

    西記念神戸アカデミア美と健康のクリニック 院長就任