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重症ニキビとイソトレチノイン:【形成外科専門医が解説】薬の効果を無駄にしない「不十分なスキンケアからの脱却」戦略

形成外科専門医が問う、イソトレチノイン治療の「盲点」

わたしは形成外科専門医として、美容皮膚科領域においても、ただ治療を行うだけでなく、皮膚の組織学的構造と治癒プロセスに基づいた根本的な改善を目指しています。

 

近年、難治性の重症ニキビに対して、イソトレチノイン(アクネトレント、ロアキュタンなど)の内服治療は非常に強力な選択肢となっています。

この薬は、他の治療法で効果が見られなかった重度のニキビに対し、皮脂腺を強力に縮小させ、原因に根本からアプローチするため、「これを飲めばニキビは治る」と、患者様が高い期待を寄せられるのは当然です。

しかし、形成外科専門医として、そして長年の美容皮膚科の臨床経験から断言します。

「イソトレチノイン内服は、あくまでニキビ治療の土台を作る強力な手段であり、完成形』ではありません。薬の効果を最大限に引き出し、再発を防ぎ、美しい肌を取り戻すためには、内服と並行した専門的なスキンケアが不可欠なのです。」

 

誤解されているスキンケア:なぜ「敏感肌用」だけでは不十分なのか

イソトレチノイン治療を希望する患者様の多くが、刺激を恐れて市販の敏感肌用(例:キュレル、ミノンなど)を使われています。

しかし、形成外科専門医の視点から見ると、これは不十分です。

もちろん、これらの製品は刺激が少なく、肌のバリア機能が低下しているときには優しい選択肢です。しかし、重症ニキビの根本的な改善と、内服後の肌を支えるためには、決定的に「不十分」です。

 

1. 根本原因への「攻め」が足りない

 

重症ニキビは、過剰な皮脂分泌、毛穴の詰まり(角質異常)、アクネ菌の増殖、そして炎症が複雑に絡み合って発生しています。 敏感肌用スキンケアの主目的は「刺激からの保護」「保湿」です。これらは、ニキビの根本原因である「角質の異常な蓄積」や「皮脂腺のコントロール」に直接アプローチする成分がほとんど含まれていません。

 

2. イソトレチノイン治療中の肌特有のケアが必要

 

イソトレチノイン内服中は、皮脂分泌が抑制される一方で、肌の乾燥や口唇炎などの副作用が出やすくなります。この時期のスキンケアは、ただ保湿するだけでなく、以下の専門的なバランスが求められます。

  • ① 徹底した乾燥対策(バリア機能の保護)

  • ② 薬の効果を妨げず、将来のニキビを防ぐための攻めの成分補給

この②を満たすためには、単なる「敏感肌用」ではない、医師の知見に基づいた成分を適切に配合した製品を選ぶ必要があります。

 

 

当院でのイソトレチノイン治療は「スキンケア指導」込みのパッケージです

当院では、イソトレチノイン内服を処方するだけでなく、患者様一人ひとりの肌状態と治療フェーズに合わせた、テーラーメイドのスキンケア指導を徹底しています。

高価な化粧品を勧めることが目的ではありません。インパクトファクターの高い医学文献でエビデンスが示されている成分を、患者様の敏感な肌状態に合わせて最適な濃度・テクスチャーで日常に取り入れていただくことが目標です。

重症ニキビ治療は、薬の力で炎症を鎮めた後、いかにして「ニキビが再発しない、美しい肌の土壌」を作り上げるかが勝負です。

「薬を飲んだから治る」ではなく、「薬と医師の専門的なスキンケア指導で、ニキビと決別する」という意識で、一緒に治療に取り組みましょう。

ご自身のスキンケアが本当に今の肌に合っているか、ぜひ一度、当院にご相談ください。

執筆者:西記念神戸アカデミア美と健康のクリニック院長 木谷慶太郎

形成外科専門医 木谷慶太郎

日本形成外科学会 形成外科専門医

日本美容外科学会JSAPS 正会員

日本創傷外科学会会員 正会員

日本レーザー医学会 正会員

日本抗加齢医学会 正会員

アラガン社 VST(ボトックスビスタ)認定医

アラガン社 ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医

経歴

  • 2010

    長崎大学医学部医学科卒業

  • 2010

    六甲アイランド甲南病院 初期臨床研修

  • 2012

    小野市民病院形成外科(現:北播磨総合病院)

  • 2013

    姫路赤十字病院形成外科

  • 2014

    神戸大学医学部付属病院形成外科

  • 2020

    西記念神戸アカデミアクリニック 

  • 2023

    ルネッサンス美容外科神戸院 院長

  • 2025

    西記念神戸アカデミア美と健康のクリニック 院長就任