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【医師の実体験】アップニークでまぶたは本当に上がる?切らない眼瞼下垂治療薬の効果・持続時間・副作用を形成外科専門医が解説
「夕方になるとまぶたが重くて目が開きにくい」
「写真を見ると、昔より目が小さくなった気がする」
このような相談は多いですが、私自身も以前から「まぶたの重たさ」に悩んでいた一人です。
医学的な「眼瞼下垂症」の診断基準を満たすほどではないものの、長時間のPC作業や年齢に伴う目元の重み、すっきりしない視界。メスを入れて手術するほどではないけれど、日々の不快感をなんとかしたい――。
今年5月に発売されたばかりの新薬
切らない目薬型の眼瞼下垂治療薬「アップニーク(Upneeq)」です。本記事では、医師としての実際の使用感に加え、作用機序や臨床データ(エビデンス)、他の治療との違いを解説します。
アップニーク(Upneeq)とは?点眼でまぶたが上がる仕組み
アップニーク(一般名:オキシメタゾリン塩酸塩0.1%眼科用液)は、後天性眼瞼下垂症の治療薬として2020年にアメリカで承認されている点眼薬です。
日本では目薬でお馴染みの大手製薬会社である参天製薬が日本人を対象とした検証を行い、安全性・有効性が検証され、製造販売が承認されています。
安心を感じやすい国産のお薬です。
ミュラー筋に直接作用するメカニズム
まぶた(上眼瞼)を持ち上げる筋肉には、主に以下の2つがあります。
- 上眼瞼挙筋:意識して目を開けるメインの筋肉(随意筋)
- ミュラー筋:交感神経の緊張によってまぶたの高さをキープする筋肉(不随意筋)
アップニークの主成分であるオキシメタゾリン塩酸塩は、α受容体作動薬です。点眼することでミュラー筋の受容体を直接刺激し、筋を持続的に収縮させます。その結果、物理的に上まぶたが約1mm引き上がります。
効果の発現と持続時間
- 効果発現:点眼後およそ15〜20分
- ピーク時:約2時間後
- 持続時間:約6〜8時間(※日中の活動時間に合わせて活用可能)
医師が実際に使って感じたリアルな効果
私自身、眼瞼下垂の手術適応基準(MRD-1短縮など)には当てはまりません。しかし、アップニークの点眼で変化を実感しています。
- 視界が広がる
- 無理に目を開けようとする「おでこの力み」が抜ける
- 夕方の目の疲れ・首肩のこりが軽減する
「手術するほど重症ではないけれど、目元の開きを改善したい」というグレーゾーンの悩みに対し、非常に実用的な選択肢だと実感しています。
臨床試験の内容を見る限り、わたしのようなグレーゾーンの方に限らず、眼瞼下垂の診断となる方にも有用です。
医学的エビデンス(臨床試験データ)
後天性眼瞼下垂と診断された336例、全て日本人で検証が行われています。
点眼して15分ほどで速やかに効果発現し、プラセボ群に比べ統計学的に有意な改善を示しています。
継続使用6ヶ月で治療開始より約1〜1.5mmの挙上改善が認められます。
治療薬と関連のある有害事象(副作用)は結膜充血、結膜湿疹、結膜浮腫などそれぞれ1例を認めています。
がん症状以外の有害事象も報告せれていますが、いずれも軽度で治療を必要とするような事象は認められていません。

そのほかの治療について
眼瞼下垂に対するそのほかの治療は手術です。
・挙筋前転法(筋肉の緩みを修正する方法)
・眉下切開(たるんでかぶさってしまう皮膚を切除する方法)
上記2つが主に選択されます。
効果に関しては手術の方が圧倒的に効果的です。
点眼を継続したとしても同様の効果は望めません。
アップニークを検討してもいい方
- 手術や切開には抵抗があるが、目元を改善させたい。
- 診断基準を満たすほどではないが、日常的にまぶたの重さを感じる
- 眉毛を上げて目を開ける癖があり、おでこのシワが気になる
- ボトックス注射の副作用で、まぶたが下がってしまった
- 写真撮影、結婚式、同窓会など「ここぞ」という日に目元をぱっちりみせたい
安全に使用するための注意点・副作用
アップニークは医師の処方が必要な医療用医薬品です。
- 主な副作用:点眼直後の一時的な結膜充血、目の乾燥感、かすみ目、頭痛など(いずれも軽度で一過性のケースが大半です)。
- 使用できない方(禁忌・注意):未治療の閉塞隅角緑内障がある方、重度の心血管系疾患や重度の高血圧をお持ちの方、MAO阻害薬を服用中の方など。
コンタクトレンズをご使用中の方は、点眼後15分以上あけてから装着してください。
よくある質問(FAQ)
Q. 毎日使っても大丈夫ですか?
A. 基本的に毎日1回ご使用いただけます。6ヶ月継続することでより改善を見込めます。ただし、6ヶ月異常連続使用に関する検証はなされていません。
また、即時的な効果もあるためイベント時など「必要な日だけ」の使用も可能です。
Q. 保険適用はされますか?
A. アップニークは自費診療(自由診療)となります。薬価基準未収載です。(保険給付の対象となりません。)
Q. まぶたのたるみ(皮膚の余り)にも効きますか?
A. ミュラー筋を収縮させてまぶたを持ち上げる薬のため、眼瞼挙筋由来の開きには効果的ですが、皮膚のたるみ(皮膚弛緩症)そのものを除去するわけではありません。
多くの方が試していいと思う
アップニークは薬なので副作用がゼロではありません。しかし、報告されている副作用・有害事象は軽度なもので確率も低いため、単眼薬を試すことは多くの方に有益だと考えます。
とくに、私を含む、手術はいやだ、でも重たいまぶたで困ってる、という方には最適でしょう。

