総合毛髪治療コラム
AGA(男性型脱毛症)とストレスは関係ある?原因や対策を解説! 2
![](https://www.kobe-academia.com/pr/hair/wp-content/uploads/2023/07/DE4C3866-40FA-4FC3-B2DC-70A1D7E71D81.jpeg)
AGAは成人男性に見られる進行性の脱毛症です。
前頭部や頭頂部が薄くなりやすいのが特徴で、日本人男性の3人に1人が発症すると言われています。放置すると進行しやすいため、早期に対処することが大切です。
「頭頂部が薄くなってきた」
「抜け毛が増えた気がする」
前回のコラムではAGAとは何なのか、AGAの原因の一部をご紹介しました。
AGAは男性ホルモン以外の原因で発症している場合もあります。例えば日頃の生活習慣の乱れ。これらがAGAの進行を早めたり、治療の効果を半減させてしまうこともあります。より効果的なAGA治療をおこなうためにも、しっかりと原因をつきとめ、生活習慣や食事を見直すことが必要になります。
今回はAGAの原因、AGAを根本治療できる効果的な治療法をご紹介します。
ストレス
ストレスがAGAの直接的な原因かどうか、今のところはっきりとした証明はありません。しかし、ストレスによる頭皮環境の悪化は、抜け毛の原因の一つであると考えられています。
日々の生活で強いストレスを感じると、自律神経のバランスが不安定になり、これによってホルモンバランスも乱れてしまいます。
男性の場合、ホルモンバランスが乱れると皮脂の分泌量が増えるのですが、その結果、頭皮環境のバランスが崩れて抜け毛が増えてしまうことがあります。
また、ストレスは血管を収縮させるので、頭皮に栄養が届きにくくなるという可能性も考えられます。
AGAを改善するには、適切な治療を受けることがもっとも望ましいですが、ストレスをためないように注意すれば、抜け毛予防に一定の効果が期待できるでしょう。
AGAの原因
前回のコラムではAGAは男性ホルモンの影響で発症することがわかりましたが、全ての男性がAGAを発症するわけではありません。
ご家族に薄毛の方がいるとAGAになる確率は高くなることがわかっています。また、ストレスを感じやすい方も抜け毛が増えやすくなると言われています。
ここからは、AGAと遺伝、ストレスの関係について解説していきます。
遺伝
AGAは、
1.テストステロンと5αリダクターゼが結合する
2.DHT(ジヒドロテストステロン)が発生する
3.男性ホルモンレセプターとDHTが結合する
4.脱毛因子「TGF-β」が増加する
5.TGF-βが別の脱毛因子に伝達され、髪の毛が抜けるように指示を出す
という流れで発症・進行すること説明しました。
AGAを発症するかどうかは、
・5αリダクターゼの活性度
・男性ホルモンレセプターの感受性
が深く関係しており、この2つの要素は遺伝によって大きく左右されます。
5αリダクターゼの活性度は優性遺伝なので、父母どちらかがその遺伝子を持っていれば、子供にも受け継がれます。
また、母方に男性ホルモンレセプターの感受性が強い方がいると、隔世遺伝によって感受性の強さが受け継がれることもわかっています。
とはいえ、薄毛に関する親のAGAの遺伝子が、必ずしも子に遺伝するとは限りません。
両親や祖父母が薄毛でも、全く薄毛にならないという方もいれば、兄弟間で1人だけ薄毛になる方もいます。
血のつながった家族の薄毛は、あくまでAGA発症の可能性を高める要因の一つとして理解しましょう。
しかし、これらすべては統計的な可能性であり、必ずしも薄毛になるとは限りません。実際に薄毛になるかどうかは、生活習慣や健康状態、そして環境なども大きく影響します。遺伝が薄毛の一部を決定する一方で、その他の要素も薄毛の形成に大きな役割を果たすのです。
自律神経バランスがの乱れ
人は過剰なストレスを受けると、自律神経のバランスを崩してしまうことがあります。
自律神経は血流のコントロールを行っています。ストレスによって自律神経が乱れれば、交感神経が働き、血流が悪くなり、頭皮に十分な栄養が行き届かなくなります。その結果、栄養不足に陥った髪の毛が抜けやすくなります。
人は過剰なストレスを受けると、自律神経のバランスを崩してしまうことがあります。
自律神経は血流のコントロールを行っています。ストレスによって自律神経が乱れれば、交感神経が働き、血流が悪くなり、頭皮に十分な栄養が行き届かなくなります。その結果、栄養不足に陥った髪の毛が抜けやすくなります。
自律神経の乱れについて以下で詳しく解説していきます。
自律神経の種類
・交感神経:朝〜昼の時間帯に働き、緊張状態を作る。
・副交感神経:夜の時間帯に働き、リラックス状態を作る。
2種類簿バランスを保つことで健康的に暮らすことができます。
上記でも記載した通り、ストレスを受けると交感神経が働き続けてしまいます。
交感神経が働き続けると・・・・
・血流が悪くなり、頭皮の温度が下がる。
→頭皮に十分な栄養が行き届かなくなる
このような状態が続くと抜け毛や薄毛が起こりやすくなります。
2.ホルモンバランスの乱れ
ストレスはホルモンバランスにも悪影響を与えます。
ストレスによってホルモンバランスが崩れると、男性ホルモンが過剰分泌されます。
するとDHT(ジヒドロテストステロン)という薄毛を誘発する原因物質が過剰に分泌され、薄毛を急速に促進します。
3.睡眠の質の低下
過剰なストレスを受けると、大脳が興奮状態になり熟睡できない状態になります。
睡眠の質が低下すれば、成長ホルモンの分泌が滞ってしまい、健康な毛髪サイクルを維持していくことはできません。
その結果、薄毛を促進することになります
成長ホルモンの役割
成長ホルモンは髪の成長にも欠かせません。
というのも、毛母細胞を活性化させているといわれる「IGF-1(インスリン様成長因子-1)」を成長ホルモンが分泌させているからです。
さらに、成長ホルモンにはアミノ酸の吸収率を上げ、タンパク質の合成を促す作用があります。
髪の毛の大部分はタンパク質で構成されていることから、成長ホルモンの作用を受けやすいといわれています。
つまり、成長ホルモンの分泌が、健康な髪の成長と薄毛になりにくい環境作りに重要となるのです。
食生活の乱れ
以下のような食生活はAGAの原因につながる可能性があります。
・暴飲暴食
・過度なダイエット
・栄養バランスが崩れた食事
・アルコールの過剰摂取
食生活が乱れると必要な栄養素が頭皮に行き届かなくなります。
高脂肪・高カロリーの食事がメインだと太りやすく、そのことがAGAの原因のひとつになっていると考えられています。
血液中に脂肪が増えた場合、内臓や血管内に脂肪が蓄積しやすくなり、体のあらゆる部分で血行不良が起こるようになるでしょう。血行不良になると、頭皮が柔軟性を失い、毛細血管が通常よりも細くなってしまうことがあります。
そうなってしまうと、血液によって運ばれるはずの栄養や酸素が毛根まで届きにくくなり、頭皮や毛根が栄養不足になります。
もちろん、食生活だけでAGAになるわけではありませんが、AGAの原因のひとつに数えられるのは、このような可能性があるからなのです。
皮脂の分泌を増やし頭皮の老化を早める脂質や、血液をドロドロ状態にして頭皮に影響を及ぼす糖質などが多く含まれる食事は控えましょう。
脂質の多い揚げ物やラーメンなどの食べすぎは頭皮の栄養素が不足してしまいます。
さらに、アルコールの過剰摂取は、ビタミンの吸収率を下げ、発毛に必要な量が髪に行き渡らなくなります。
睡眠不足
睡眠時間が十分に摂れていないと、薄毛進行の原因になる可能性があります。睡眠時には成長ホルモンが分泌され、身体の成長や組織の修復をおこないます。この成長ホルモンは、毛母細胞を活発化したり、血行を改善したりする作用があり、髪の成長に必要不可欠なものです。
眠り始めてから3時間が、成長ホルモンが最も分泌されるピークであるといわれています。十分な質のよい睡眠がとれていないと、髪が育たず、さらに身体に不調をきたしてしまう原因となります。
飲酒・喫煙
タバコに含まれるニコチンは、毛感を収縮する作用があり、これが血行不良を招く可能性があります。血行不良によって酸素や栄養が行き届かず、髪の成長が滞り、薄毛が進行してしまうことが考えられます。
過度な飲酒は禁物です。飲酒したときに発生するアセトアルデヒドは、DHTを増加させてしまうといわれています。通常のアルコール量であれば問題ありませんが、過度な飲酒で分解しきれなかったアセドアルデヒドが多い場合、AGAを進行させてしまう恐れがあります。
頭皮環境の乱れ
頭皮に刺激が強いパーマやヘアカラーなどの外的要因も、薄毛をひきおこす一因になる場合があります。パーマやカラーは、毛髪を細くしてしまったり、頭皮の炎症を招いてしまったりすることもあります。
ヘアスタイルを楽しむのはよいことですが、パーマやカラーのあとの適切なヘアケア、頭皮に優しいシャンプーを使うなどを心がけてみるとよいでしょう。
また紫外線も頭皮にダメージを与えます。強い紫外線を長時間浴びると、髪がパサつく、コシがなくなるなどの悪影響も及ぼします。
頭皮環境の乱れだけで、薄毛の直接的な原因には結びつきませんが、このような外的要因・環境的要因が重なることで、薄毛となる場合があるといえます。
予防・対策法
AGAの場合は自力で治すのはほとんど不可能です。AGAの原因は男性ホルモンや遺伝的な要因が多くを占め、生活習慣などの改善だけでは根本的な治療は望めないからです。しかしAGAではない、他の原因からくる薄毛の場合は、次のような対策の余地があります。
- 食生活を見直し、必要に応じてサプリで栄養を摂取する
- 運動や趣味に没頭するなどストレスを溜め込まない
- 7時間の睡眠時間を確保する、寝る前にスマホを見ない
- 禁煙する、お酒はほどほどに控える
- 頭皮に優しいシャンプーを選ぶ、ヘアケアで頭皮環境を改善する
薄毛はさまざまな原因が複合的に重なって発症することがあります。上記のような対策を普段から意識的におこなうことで、将来の薄毛対策にもなり、AGA治療の効果をより高めることにもつながります。
1.
- 食生活を見直し、必要に応じてサプリで栄養を摂取する
2.
- 運動や趣味に没頭するなどストレスを溜め込まない
3.
- 7時間の睡眠時間を確保する、寝る前にスマホを見ない
4.
- 禁煙する、お酒はほどほどに控える
まとめ
AGAとは何なのか、原因の一部をまとめました。
健康なヘアサイクルに戻すためには、専門クリニックを受診し現状や原因を把握することが大切です。
次回のコラムではその他のAGAの原因をご紹介します。ぜひご覧いただければと思います。
神戸アカデミアクリニックでは、神戸大学との連携と共同研究のノウハウを基本に、科学的根拠に基づく薄毛・抜け毛治療を研究・実施しています。あなたの体質・お悩みに応じたパーソナル治療をご提案いたします。