チョコやポテチでニキビができる？ 医師が解説する本当の理由と最新エビデンス

ニキビ治療や美肌のために良い食生活は重要です。

「チョコを食べるとニキビができる」「ポテチは肌に悪い」——。

昔からよく言われる話ですが、実際の医学的な根拠はどうなのでしょうか？

今回は、皮膚・美容医療の視点から科学的に解説します。

チョコレートやポテトチップスそのものが、

ニキビの直接的な原因であることを示す医学的証拠はありません。

特にチョコレートはニキビの原因ではないと断定されています。

しかし、これらに共通する「高GI（血糖値を上げやすい）」「高脂肪」「加工食品」といった特徴が、

ホルモンや皮脂分泌を通じてニキビを悪化させる要因になる可能性があります。

研究での結果

• Fulton JE et al., JAMA, 1971　チョコ入りとチョコなしバーを比較しても、ニキビ発生に差は見られませんでした。

• Spencer EH et al., J Am Acad Dermatol, 2009（レビュー）「チョコとニキビの関連を裏付ける証拠は不十分」と結論。

ただし「食べ方」には注意

• ミルクチョコやホワイトチョコは糖と脂肪が多く、血糖値を上げやすい

• 血糖上昇 → インスリン・IGF-1分泌 → 皮脂分泌促進 → 毛穴づまり

• 結果的に、間接的にニキビを悪化させることがあります

一方で、カカオ70％以上のダークチョコレートはポリフェノールを多く含み、抗酸化作用によって炎症を抑える可能性も指摘されています。つまり、チョコは「種類と量」がポイントです。

ポテトチップス単体でニキビを悪化させるという直接的な因果関係は証明されていません。

しかし、以下のような特徴から「悪化の方向に働く」可能性が高いと考えられています。

🔬 間接的な根拠

• 高GI食品：血糖値を急上昇させ、ホルモン（IGF-1）を介して皮脂分泌を促す

  • Smith RN et al., Am J Clin Nutr, 2007
    
    → 低GI食を続けたグループでニキビ数が約50%減少

• 高脂質・酸化脂質：揚げ油に含まれる酸化脂質が炎症を助長する

  • Melnik BC, Exp Dermatol, 2012
    
    → 高脂肪・加工食品がニキビを悪化させる可能性を指摘

• 観察研究でも傾向：ポテチや揚げ物を多く摂る学生ほどニキビが多い傾向

  • Ismail NH et al., J Eur Acad Dermatol Venereol, 2012

• 白米・白パン・スナック菓子など高GI食品が多い

• 揚げ物・ファストフード中心の食事

• 甘い飲み物や乳製品の摂取が多い

• 野菜・魚・全粒穀物が少ない

• 低GI食品（玄米、オートミール、豆類）を意識

• 抗酸化成分の多い野菜や果物を摂る

• 良質な脂質（オリーブオイル、青魚、ナッツ類）を取り入れる

• 甘いもの・スナック菓子は「たまの楽しみ」に

「チョコを食べたらニキビが出た」という患者さんは多いですが、

実際には“チョコそのもの”よりも“食生活全体”が関係しています。

ポテチやスナック類も、少量なら問題ありません。

食べない！と禁止にすることは良くないです。なぜならそれがストレスになってしまうから。

ただし、毎日食べる習慣は肌の炎症を悪化させる可能性があるため、

頻度とバランスを意識することが、美肌への第一歩です。