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「同じ成分でも美容液の質は違う|医師が教える選び方のコツ

最近、SNSを見ていると、こんな投稿をよく目にします。
「このプチプラ美容液、高級ブランドと同じ成分が入ってるから効果は同じ!おすすめ!」
成分表の一部だけを切り取って、あたかも同じ結果が得られるかのように紹介しているのです。
多くの方は「成分名が同じなら効果も同じ」と思いがちです。
でも、そこには大きな落とし穴があります。
同じ成分でも、原料の純度や安定性、濃度、肌への浸透性は製造方法や品質管理によって大きく変わります。
この違いは、成分表を眺めただけでは分かりません。
他の工業製品ではメーカーが違えば質が違うということを誰もが当然のことと理解しています。
しかし不思議なことに、美容や医療の成分になると、その感覚が薄れてしまう方が多いのです。
他のものと同じように考えましょう
たとえば、「黒いパンプス」。
すべて全く同じ黒いパンプスだと思う人は皆無でしょう。
見た目はそっくりでも素材や縫製、靴底の作りによって履き心地も長持ち度も全く違います。黒と言っても微妙に色合いが違いますよね。
安価なものは最初こそ同じように見えても、長く履くうちに形が崩れたり足が痛くなったりします。
一方、上質な靴は足にフィットし、長時間歩いても疲れにくく、美しい形を保ちます。
美容成分の質の差も、これにとてもよく似ているのです。
安価な量販品とハイグレード製品の違い
美容や健康に欠かせない成分ビタミンC。当然このビタミンCにも質の違いがあります。
ビタミンCを製造する過程で必ず副産物や微量の不純物が生じます。
安価なものに入ってるビタミンCは、安価に作らなければなりません。大量生産とコストを重視するため、この不純物除去が最小限にとどまることが多いのです。不純物を取り除く作業は非常に手間暇がかかってしまいます。
同じように見えても、不純物が多いと安定性が低く、酸化や変色が早く進み、肌への刺激となる可能性もあります。
一方で医療グレードのビタミンCは、製造時の副産物を限りなく取り除き、純度を極めた状態で製品化されます。
さらに、安定性を高める特殊な製法やパッケージングによって、壊れやすいビタミンCを必要な濃度のまま肌に届けることができます。
同じ「ビタミンC配合」と書かれていても、その中身の純度や安定性、そして効果の持続性はまるで別物なのです。
成分名だけでは選べない
美容液を選ぶとき、つい「同じ成分なら安いほうでいい」と思いがちですが、それでは本来の効果を得られないことも多くあります。
重要なのは、その成分がどのような形で、どのくらいの量で、どんな状態で肌に届くかです。
SNSの情報は手軽ですが、「成分名が同じ=効果も同じ」という短絡的な判断は危険です。
美しくなるためには、成分だけでなく“質”を見る目が必要なのです。
製品の質と選び方
美容液やスキンケア製品、サプリメントを選ぶとき、つい成分名だけに注目してしまいがちですが、それだけでは十分ではありません。
市販の製品と医療機関で扱う製品では、作り方や品質管理に大きな差があります。
大量生産の製品は効率重視で作られるため、成分の安定性や肌へのやさしさに差が出ることがあります。
私たちのクリニックで扱う製品は、成分の純度や安定性にこだわり、肌に届く質を守るための丁寧な工程を経た質の高いものに限定しています。
ラベルに書かれた成分だけで判断せず、背景にある製造や品質にも少し目を向けてみてください。
安心して毎日のスキンケアを続けたい方には、クリニックでご紹介している製品もぜひ選択肢のひとつにしていただければと思います。
「同じ成分でも質は違う」ということを知っているだけで、スキンケアの結果も変わってきます。
少しの意識の違いが、毎日の美しさを守る大きな力になります。
執筆者:西記念神戸アカデミア美と健康のクリニック院長 木谷慶太郎

日本形成外科学会 形成外科専門医
日本美容外科学会JSAPS 正会員
日本創傷外科学会会員 正会員
日本レーザー医学会 正会員
日本抗加齢医学会 正会員
アラガン社 VST(ボトックスビスタ)認定医
アラガン社 ヒアルロン酸バイクロスシリーズ注入認定医
経歴
2010
長崎大学医学部医学科卒業
2010
六甲アイランド甲南病院 初期臨床研修
2012
小野市民病院形成外科(現:北播磨総合病院)
2013
姫路赤十字病院形成外科
2014
神戸大学医学部付属病院形成外科
2020
西記念神戸アカデミアクリニック
2023
ルネッサンス美容外科神戸院 院長
2025
西記念神戸アカデミア美と健康のクリニック 院長就任
